繰り返しのパワー

 高機能脳障害を持った子の家庭教師をしています。交通事故で記憶に障害をもち、短期間の記憶が非常に困難です。しかし、練習の仕方で変化が見えてきました。。

 この子は高校2年生ですが交通事故で1年間入院していました。学校に復帰はしたものの記憶障害で学習が思うように進みません。そこで、家庭教師の依頼が来たのですが僕も初めてなのでどうしたらいいのかわからないことばかりでした。

 普通の勉強法では通用しません。なにせ、短期間で覚えるということを出来ないのですから。最初の2,3ヶ月間は勉強法の工夫に時間をかけましたが最近になってやっと光が見えてきました。

 記憶障害といっても完全に忘れるわけではなく、重要なことや日常のことはある程度おぼえることが出来ます。しかし、学習のように漠然として物を暗記して覚えるという方法が難しいのです。そこで暗記して覚えるということをやめました。かわりに、同じ問題を何度も繰り返して体に染み込ませる方法をとりました。厳密には覚えるという行為に変わりはないのですが意識の仕方が随分と違います。

 何度も繰り返すということで、覚える思い出すといった行為を無意識に自然と発揮できるようになりました。とはいっても普通の人の10分の1の進み方ですが、勉強の方向性が見えてきたので未来が随分と明るくなったのです。

繰り返しの勉強はこういった障害がなくても通常の学習でも効果が高いと思われます。なかなか覚えられない内容などは、うまくスケジューリングして繰り返し学習を出来る体制が採れればいいですね。

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